2017 予想! 第26回アーリントンカップ(GⅢ) 02/25(土)阪神外回り1600m

 武幸四郎、ジョッキー引退ということで、そこそこやれていたジョッキーの引退というとミッキー(松永幹夫)の阪急杯ブルーショットガンが思い浮かぶのだけど、どうでしょうね。あの時は私はコスモサンビーム本命で、途中で予後って可哀想な結果になったりしたし、鮮明に覚えている。

 さてさて2017年のアーリントンカップへ。阪神中山開催の開幕週。ということで、前に行った馬が残りやすいことは言うまでもない。それは頭に入れておくべきだが今回は12頭立てで、大逃げで一杯食わされるということもなさそう。素直に実力、戦績、この辺りを見ていけばいいのではないか、と。紛れの要素があるか? と思うし大荒れはないんじゃないか。先行から中団辺りで折り合って好位差し、これが一番うまくいく気がする。

 

3連複フォーメーション想定 1頭→2頭→8頭の13点。
◎8ペルシアンナイト
 前走のシンザン記念こそ、キョウヘイの追い込みに負けての3着で、上がりも3位だったわけだけど、差は0.2秒。開幕週に限っては、道中6番手前後に位置取りする脚質がハマりそうである。4戦して馬券内を外していない堅実ぶり。鞍上デムーロも良し。初めての阪神がどうか、くらいか。

 

◯3キョウヘイ
 入れないわけにはいかないシンザン記念勝ち馬。ここでマクって突き抜けられるなら本物だと認識せざるをえない。ただこの馬、千両賞2着やシンザン記念1着は重馬場で出した着順。むろん、良馬場の小倉2歳Sで4着しているので、馬場が渋らなければ走らんという馬ではない。差し届かずも健闘して2,3着というイメージかな。
▲2ディバインコード
 打って変わって先行馬。5戦して馬券外なし。ハナにこだわる馬じゃないが、この枠だし、外目の先行馬が行かないなら行っちゃうのかな。京王杯2歳S3着、オープン特別ジュニアカップ2着と現時点での3歳馬としては優秀な戦績。むしろ関西圏で馬券に入ってくるイメージわかない鞍上が問題かもしれん。

 

△4レヴァンテライオン
 朝日杯をブービー負け。ただし腐っても中央芝重賞の勝ち馬。函館2歳S勝ちがきらめく。
△5ジョーストリクリ
 500万特別なずな賞を上がり2位で勝ち。負かしたデスティニーソングは先週500万特別を勝ち上がったので、前走のレベルは低くはない。予想される位置取りも合いそうだし、ヒモなら十分。
△7ナンヨーマーズ
 勝ち負けには厳しい感じ。9番手に下げても上がりは3位しか出せず。テン乗りとはいえ、ルメールで怖いしおさえるが。ちなみにデータとしては500万特別で3着以内なら来ないことはない、となっている。
△9ミラアイトーン
 鞍上に武幸四郎。それはいいとして、京都だから出た時計だとしても前走上がり33.8秒を繰り出してきた。2000mの葉牡丹賞が長かったとしたらマイルは丁度良さそう。
△11ヴゼットジョリー
 牡馬に敵う敵わないの議論は、新潟2歳S勝った、で終わるわけだが、やっぱりちょっと信頼したくない。それに牝馬戦線なら上位の馬なので桜の舞台が本番。ここで公開調教されても文句は言えないと思う。
△12レッドアンシェアル
 朝日杯8着を除けばもみじS勝ちの芝2勝馬。中団くらいで進めそうな点も良し。

 

買い目
3連複フォーメーション
8―2,3―2,3,4,5,7,9,11,12
の13点。

GOOD LUCK!!

 

2017 予想! 第67回ダイヤモンドステークス(GⅢ)+第52回京都牝馬ステークス(GⅢ)

 まずはダイヤモンドSから。

 東京芝3400mという、2マイル3200mでもなく(昔の天皇賞秋は3200mでした、シービーの時には今と同じ2000mになった)そこに1ハロン足して3400mというわけのわからないマラソンレースで、特殊で施行回数少ないということは、リピーターを重視しよう、とそういう頭でやっていけば的中は早いはず。府中のダ2100mもそこから入るじゃないですか。
 で、まあハンデ戦なのが難解さを増しているのだけど、過去10年で見ていくと、軸馬は1,2番人気で良いと出て来る。つまりヒモ荒れするレースということ。斤量が重くても複式馬券買う人は素直に上位人気を信頼して馬券を組んでいいだろう。御託はこのくらいで。

 

3連複フォーメーションで考える。1頭を一番目の軸に置いて、3頭を2番目においてなるべく広めで当てに行く。

 

◎12アルバート
 藤田菜七子ちゃんの48kgからこのトップハンデ58kgまで実に10kgの斤量差があるわけ。凄いね。で、まあ、ハンデ戦ってきちんとハンディキャッパーが見込んだ強い馬=背負っている馬を軸にして軽めな奴らをヒモに入れるスタイルで良いと私は思っている。アホか!?っていうくらいクソ荒れのレースなんて全通り買い決め打ちでもしないと当てられん。

 鞍上ムーア人気している感否めないし、中山長距離がお庭でしょって私も思う。ただ去年のアルゼンチン共和国杯を意外にも2着したし、条件戦時代も見れば府中を苦にしてはいない。いつアツメに買うのかって言ったら、使うか知らんけど日経賞だと私は思いますよ。やっぱ中山専用機的な見方が私にも強いし。たださきほどアルゼンチン共和国杯の連対が意外だったという辺りに注目してほしいのだが、府中芝2500m戦で上がり2位の33.6秒を記録している。勝つか? って言ったら私は責任持てないけど3着内にいるのか? って言われたら9割方いるんじゃないと思う。
◯1ファタモルガーナ
 蛯名騎乗で騙馬9歳。長距離戦においては、馬齢はさほど関係ない。この馬はステイヤーズSを4回走って3回連対する生粋のステイヤー。当レースダイヤモンドSでは2着1回3着1回着外1回で、そこに目黒記念3着(2015年)などを入れると、アルバートがもしも中山専用機だった場合、この馬の方が府中適性あるんじゃないかと3分ばかし真剣に悩んだ。が、上位人気サイドからヒモ荒れ、ということを頭に入れて対抗に。ここで勝ち負けして、春の天皇賞では用無しパターンだと思うし、厩舎側もそういうつもりなら勝っちゃうかも。府中や新潟を集中的に使っている辺りサウスポーめいた感じがする。
 最内1枠1番が気になるところ。長距離なんだし、インに拘らず、直線向く頃には外目を走ってほしいが。蛯名に任せるしかない。

 

▲4ラブラドライト
 この馬もちんこ取っちゃって去勢した騙馬8歳馬なのだけど斤量51kg。これはかなり恵まれたはず。前走は当レースに相性の良いオープン特別京都3000mの万葉Sを2着。しかも上がり最速と来たもんだ。14年にダイヤモンドSに挑戦していて4着。中穴っぽい評価だが、かなり押していきたい馬。
★7フェイムゲーム
 こちらも騙馬で7歳、斤量はトップハンデと並ぶ58kg。そう見込まれたのも無理はない。実際、府中3400mのダイヤモンドSを3回走って2勝2着1回で、馬券に絡まなかった事が一度もない。得意条件なのだろう。JC17着を見ると大舞台で期待は酷であるかとは思うが、この舞台ならばまだまだ好走しておかしかないはず。

 

△8カフジプリンス
 まさに連下評価でふさわしいというヤツではないか。明け四歳の54kgだし川田もしっかり乗ってきそうなイメージがある。といってもクラシック参加組の4歳馬がみんな強いかと言ったらそうでもないわけだし、人気しすぎな感を覚えてしまうが適性は中長距離。ひょっこり3着辺りを期待して。
△10サムソンズプライド
 スタミナ戦なら前行って粘り込みもまた王道でしょう、の逃げ馬で買いたいと思うのはこの馬。斤量54kgと軽めだし、鞍上田辺だし、前走白富士S(府中芝2000m)で逃げて4着してきた。前走オープン特別で掲示板内ならおさえる妙味あり。今の所、長距離重賞では掲示板になかなか届かないという感じだが、意外と逃げ粘って穴あけるかも。
△11プレストウィック
 この馬に関してはたった一つだけ。前走ステイヤーズSを上がり3位にまとめて4着。人気馬じゃない戸崎というのも買いたくなるじゃないか。それだけですな。穴に一考。

 

買い目
3連複フォーメーション
12→1,4,7→1,4,7,8,10,11の12点。
ワイド1点 1-12

もうちょっと時間過ぎてから賭金考える。


京都牝馬ステークス

 

当たる気がしない。そもそも京都マイル戦だった頃ならまだしも1400mとかなんでやって思うので。当たったらラッキー程度で短評で。

 

3連複フォーメーション 1頭目1頭、2頭目3頭、あと7頭。
◎10レッツゴードンキ
 脚質自在の桜花賞馬。芝ダ関係なく好走。1400mならお手の物?


◯2アットザシーサイド
 実績上位も重賞未勝利馬。勝ち味に遅いし安定性も微妙で軸では見送り、あくまでヒモの最右翼。
▲4アルビアーノ
 休み明けの分割り引いたが、NHKマイル2着、宮記念3着、15年同舞台京都1400スワンS勝ちは侮れない。対抗に上げてもいいくらい、この舞台なら強いはず。鞍上ルメール
▲6スナッチマインド
 京都の1400まで、あるいは1600までなら得意な馬。前年の1400m変更後の4着馬。どしんとシンガリ近くに下げれば確実な末脚を発揮してきた馬。展開次第、作戦次第だがハマれば突き抜けて驚けない。

 

△1トータルヒート
 前走淀短距離Sで上がり最速33.5という数字だけで買った。
△3ベルルミエール
 これは言葉を尽くしたいなと思ったくらいオススメ。不当なほど人気を落としている。去年の夏から意外にも堅実で、5着前後で安定している。実際ニュージーランドTで3着、北九州記念で3着がある。特に前走は1200mだけど、上がり最速を使って5着。混合戦から牝馬戦に移るのだから3着内も当然意識できるではないか。
△13ナックビーナス
 まあヒモでなら買えるよね、という馬。重賞挑戦はクイーンCとキーランドC。5着と6着という結果で悪くはない。古馬牝馬限定のこの舞台なら馬券内も?
△18ウインファビラス
 かつての2015年シーズンに新潟2歳Sで2着、そして阪神JFで2着。この馬にはやられたーというイメージが個人的に色濃い。さてそんな中、秋華賞を惨敗したあとターコイズSからニューイヤーSに転じて3着してきた。2歳で魅せたその能力、再び戻ってきていてもおかしくないのでは?

 

買い目
3連複フォーメーション
10→2,4,6→1,2,3,4,6,13,18 15点

 

GOOD LUCK!!
イエイ!

2017 第52回デイリー杯クイーンカップ(GⅢ)予想

 JRA公式の馬場情報では2/9の天候不順の際、4.0mmのみぞれで雨量を計測しているが芝ダートともに良馬場発表。乾燥する季節でもあるし、さほど問題視しなくてよいだろう。

 で、クイーンCだが、前に行く馬がかなり多い。もちろん世代限定戦なので抜けた強さを持っていれば前目に行ってしぶとく残せるだろうが、単純に競馬のセオリーを考えると差し勢優勢だろう。こう考えていくと、たぶん今年もクイーンCは固いか小波乱程度ではあるまいか。
 それとクイーンCに出られるのは抽選も含めて最低でも1勝していなければならない。500万で凡走している馬の場合、壁が見えてしまっているので成長していないと厳しい。逆に実力未知である新馬戦1戦1勝馬をどこまでおさえるか、それが意外と鍵になる。

 

 3連複2頭軸を想定。
◎6フローレスマジック
 2頭軸にするので本命対抗と分ける必要は個人的にはないんだけど、あえて印を区別するとこっち。同配合全兄全姉にラキシスサトノアラジンがいる良血。府中のマイルを2回使って連対外さず。アルテミスSで半馬身差負けた相手はリスグラシューで阪神JFを2着。末脚抜群であり、枠もほぼ真ん中なので十分勝ち負け。戸崎を乗せてきたとはいえ、テン乗りでどうか、くらいではないか。
◯15アドマイヤミヤビ
 前走が500万の百日草特別だが負かした相手がカデナでラジニケ杯京都2歳S勝ち馬なので、強いだろう。府中の2000mを勝ったわけで、距離延長組より短縮組が良い、というのはマイル戦の一つのポイントである。本命馬に負けない末脚を持っておりこちらも勝ち負け。外枠だが直線勝負するだろうからさほど心配はいらない。で、こっちはルメールで継続だが本番の桜花賞ルメールは違う馬に乗る。それがどうでるか。

 

上記2頭が抜けている、と判断。2頭軸にしたからにはヒモが抜けると非常に悲しいので多めにチョイスした。

 

▲8レーヌミノル
 先行馬の中では一番だと思う。重賞3戦して複勝率100%。ただ1200mの小倉2歳Sで1着、1400mの京王杯2歳Sで2着、1600mの阪神JFで3着。面白いように距離が伸びるごとに着順を落としている。マイルが精一杯と映ってしまう。
▲12モリトシラユリ
 この馬は単純に前走重賞のフェアリーSで上がり最速を使って3着に食い込んだのを評価した。未勝利脱出がダート戦だったので、それが原因で人気しないなら美味しい存在である。

△1トーホウアイレス
 アルテミスSであまりに走らなくて12着に大敗。ただしそこだけ目をつむれば、出走馬を見渡すとサフラン賞勝ちの芝2勝馬であるという点は大きい。差し脚質だしおさえる。
△3ハナレイムーン
 新馬の内容が強かった。府中で33.7秒の脚を使えたので、その脚がまた使えるならば複勝圏ありうる。
△4コマノレジーナ
 こっちも新馬戦勝ちで、相手がどうであろうと上がり最速で3馬身離して楽勝した点は3番と変わらない。3,4のどちらにも言える事だが馬体重410kg台が心配。
△7ディヴァインハイツ
 これも新馬戦勝ちなのだけど1と1/4馬身離したのでなくはない。道中じっくり構えれば。
△11アエロリット
 鞍上が鞍上なだけに今回も先行するか素直に信じきれなかったし、実際フェアリーSで2着する実力はあるので入れた。来るかどうかは鞍上の作戦如何。
△13スズカゼ
 前走菜の花賞で2勝馬になれた点は大きい。重賞で全く勝負になっていないし、先行したら結果出たというやや嫌いたい馬なのだが、穴に一考で。

 

買い目
3連複2頭軸相手8頭の8点買い。
軸6-15
相手1,3,4,7,8,11,12,13

 

ワイド6-15の1点買い。

 

上記2つの券種の賭金をどうするかはオッズが出てから決めようと思う。
GOOD LUCK!

 

2017 「ライ麦畑でつかまえて」(野崎版)の感想とスタイル

(1)感想など 

読書メーターに書いたものだとこう。何というか255文字で感想書けと言われると無理な小説なので、こんな風にしてお茶を濁した。

 

実に11年ぶりの再読である。18歳の私は怒ったのだ。だってホールデン、君は私が言わずにおいた事をのべつ幕なしに喋って聞かせるんだ、腹を立てて当然じゃないか? でも今は違う。相対化と客観視、つまりこれもインチキだな。要するにだ、あの時君は柵の上に座っていたから私は文句を言いに登って君の隣に腰掛けた。いつの間にか私は柵から降りていたってわけだ。見上げると今でも次から次へ君に何か言いたい奴らが押しかけているじゃないか。君は不機嫌そうだが退屈しないだろ、年もとらないしな。寂しくなったのは私の方さ。参ったね、全く。

 

 本題の前に、四方山話でも。

 読書中、脳内のBGMはイーグルスデスペラードだった。以下はlive版ではなく原曲。


The Eagles- DESPERADO-HD

 柵の上がどうこう、なんて本文に無関係な語を持ち出してレビューを書いたのはデスペラードの歌詞があったからだ。

 歌詞の最終連はこうある。

Desperado, why don't you come to your senses?
Come down from your fences; open the gate
It may be rainin', but there's a rainbow above you
You better let somebody love you, before it's too late

 適当に訳すと

デスペラード(ならず者)、何で分からないんだ?

柵(フェンス)の上から降りてこいよ、門(ゲート)を開けるんだ

雨降りの日もあるさ、けれどお前の上に虹がかかるかもしれないじゃないか

誰かに愛してもらわなきゃいけないよ、手遅れになる前にさ

 

 こんな感じで、目の前にたくさん良い物が転がっているのに手を出そうとしないし、柵の上に座り込んでいる。いつまでそうしているつもりだ、もう良い歳だろうに。そろそろ柵から降りて地に足の着いた事をやるべきだ。手遅れになるぞ。

 と、全体を要約するとこうなって、つまり私の解釈だとこうなる。

 あの頃の夢だけでは生きていけないし、それを追い続けて人生がパーになったらまずいじゃないか、そりゃ確かに夢を諦めるのは哀しい事だけど、良い事だってあるんだ、さあ、孤高を気取ってないで俺達の所へ降りてこい、心を開くんだよ。

 夢追い人に現実的な生き方をするよう忠告する、おセンチなスローバラードだと思っている。

 

 この解釈のままずっと過ごしてきたわけだけど、このデスペラードの歌詞、深読みするとベトナム戦争時のアメリカを皮肉ったものだ、とか失恋した男(女)への慰めだとか、なかなか多様な解釈があった。むしろ私の解釈に似たものを見つけるのが苦労したくらいだ。

 同じように多様な解釈ができるものに、イーグルスの恐らく最大のヒット曲であるホテル・カリフォルニアがあるだろう。歌詞にコリタスの匂いがするとか、1969年のワインしか置いていないとか、チェックアウトはいつでもできるけどホテルからは出られんぞ、なんて暗喩的な歌詞が魅力的。ベストアルバムの解説では当時のアメリカロック界の、麻薬等々薬物汚染を指摘している、みたいにやっつけてあったが、別の解釈も可能だろう。

 

 脱線しすぎて横転しそうなのでライ麦に話を戻すと、ホールデンは柵の上にいて(いつまでも半分子供半分大人の鋭敏で感傷的な、純粋な存在でいられる)、いっぱい傷つく事もあるだろうけど、でもそれはとても羨ましいね、という事を言いたかった。

 18歳の初読の時に怒りを覚えたというのは本当で、16歳のホールデンは、大人になりたい気持ちも実はあるから、煙草を吸ったり酒を飲んだりする、背伸びをするわけだ。おまけに高校を放校されるし。

 この設定、当時の私とピッタリと符合する。ホールデンは競馬こそしないけどね。私は県内2番手の高校に入ったけど見事に堕落して結局高校3年の晩春に休学を申し出た。事実上の中退、居続けてもダブるのは確実だから。高校のダブりと大学のダブりは全然違うでしょ? 私はどうしたかというと、単位選択自由な通信制高校に編入して何とか留年をせずに3年間で高卒になれた。代わりに大学受験の勉強をする余裕がなく、形式上浪人生をやるハメになった。まあその後マーチの文学部に受かるわけだけど。

 そんな時にこのライ麦を読むと、共感以上にまるで自分の分身がニューヨークを彷徨しながら愚痴をぺちゃくちゃ喋っているように思えて、土足で心の中に入られたような気がしたのだった。ホールデンのような大人の憎み方はしていなかったけれど、偽善欺瞞はうんざりだ、とは感じていた。大凡の人達の十代後半の心模様はこんなものだろう。だから今でも売れているわけだが。

 

 で、ライ麦は26章立てで出来ている。最後の26章はわずか2ページしかない。そこでホールデンは病院に入院している(村上春樹訳では〈病院〉という単語は使われていないらしい)。精神分析家がうようよしている病院に。この入院しているホールデンが、回想する体で小説が成立している。

 ホールデンは、今までの話の中に出てきた奴ら(固有名を持ち生身を持ってホールデンに接触した全ての人物)がここには誰もいない、と締めくくり懐かしい、と語って終わる。

 単純に解釈すれば、そりゃ病院の中に高校の同級生たちはいないだろう。ただ、ひっかかる部分が多すぎる。まずホールデンが入院しているのは十中八九精神病院か、総合病院の精神科病棟だろう。作中で肺炎になるかもしれない、癌になるかもしれない、と怯える場面はあるのだが、あれは冗談のような感じだったし、ペンシーの高校の寄宿舎で殴り合いの喧嘩をするが、鼻血が出たくらいだ。入院レベルの身体的な故障はない。おまけに情緒不安定なのは、サリンジャーの書き物という時点で知れている。

 そう、このニューヨーク三日間の彷徨は虚構の魂の彷徨であり、全て作り話、フィクション、ホールデンの妄想だと解釈できてしまう。

 この最後のどんでん返しを、ありきたりだ、と言うのは容易いし実際私もそう思うのだけど、上記の入院している等々はサリンジャーがたった2ページなのに、わざわざ書き足した事だ。余分な深読みを嫌ううるさい作家として定評あるサリンジャーだからこそ、この最後26章は重視せざるをえないのだ。

 これは印象論に毛が生えた程度の解釈でもすぐ思い浮かぶ事だから、きっと英米文学の研究でサリンジャーの作家論、テクスト論、その中にこの解釈の如何はかなり言及されているだろう。暇があったら知りたいし、読みたい。

 21世紀になって15年以上も経った。現在の文学研究においては、作家論、つまり書いた作者の気持ちを類推するみたいなやり方は、もはや駆逐されている。せいぜい高校生の現代文までだろう。テクスト論、バルトが提唱した〈作者の死〉から、書いた人間を空欄にしてしまって、眼前にあるテクスト(本文)をそのまま解釈しよう、そういう態勢に入ってとても長い。どういうテクスト論が展開しているのだろうか。

 

(2)スタイル、フォルム(形式)

 さてもう一つ。スタイル、フォルムの問題。

 ホールデンの饒舌な独白体で本書は形成されている。驚嘆すべきお喋りなのだが、このスタイルがとても読みにくいという感想がかなりあった。実際、私も読み難かったし、時間もかかった。何故か? これは黙って眼玉で字面を追って読むべきものではないからだ。

 物語、という単語を漢文調にカタカナを補ってみると〈物ヲ語ル〉となる。レ点をつけて〈語ラレタ物〉としても良いが、物語とは〈語る〉行為である。

 ソシュールジャック・デリダとか、パロールエクリチュールとか、そっちに踏み込むとややこしくなるので控えるが、言葉というのはまず音声として先にあった。後から文字として表記するようになった。識字率が急激に上昇するのは近代なので、それまでは、話を知っている人間が喋って聞かしたはずなのだ。

 だいたい、我々が慣れてしまった一人称体の小説って、よくよく考えてみると何か書き方が変ではないか? 例文などを用意して解説しようかと思ったけど面倒くさくなってきたので割愛。

 とりあえずだ、文字、言葉というからには声に出して読めるわけだ。実際、今は詩のボクシングみたいに詩か短歌俳句しか詠み上げないけど、実は文学賞の授賞式でも、受賞の記念として作者が小説を読み上げる、なんて事もあった。短篇に限るとは思うが。

 その時に一番違和感がありそうなのが会話文の連続。「」で囲って、間に、と私は言った、などを含まず会話文の連続の場面がある。それを声に出して読み上げてみると、おかしいぞ、と気づくはずだ。何だか演劇のシナリオ、ト書きを読んでいるような感覚になると思う。

 これは私の根拠のない考えだが、文字が発明されて以来、ほとんどは三人称だったのではないか、と思う。神話や、宗教の聖典、聖書とかそういうものだが、みんな三人称だと思う。例外ってあるんかな? 神様ナリキリをしないと一人称にならないはずだが。まいいや。

 この会話の連続などといった一人称でおかしく感じるものは、三人称だとおかしく聞こえない。まず散文は三人称が基本にあって、そこから無理やり一人称を編み出したのではないか。結果、書き言葉専門的な書かれ方がなされ、次第に受容されたために、ヘンテコな一人称体小説がまかり通っている可能性がある。

 一人称体小説の〈私〉の発展は、近代文学の〈私=近代的自我〉の発見と探求、みたいな事を書かれる事が多いが、おかしいものはおかしいのだ。カッコつけるな。

 

 つまり音声として声に出して読み上げた時に、不自然、違和感を覚えない書かれ方をした饒舌で独白体な本書ライ麦畑でつかまえては、理想的かつ正当な一人称体ではないか? 

 こういう事も考えながら読むと、不朽の名作ライ麦畑でつかまえてを、より楽しく読めるのではないだろうか。

 

 

 

2017 予想 第31回根岸ステークス(GIII)+第22回シルクロードステークス(GIII)

 基本的に土曜重賞とかニッチなものやろうと思っている競馬予想コーナーなので、土曜に重賞が回ってこないようだと全然更新できないので、今日はやろう。
 根岸Sを中心に。芝短距離は苦手なんで、そっちは短評で。

 

 根岸S

 さて、根岸Sだが、開幕した冬の東京開催、ダートに至っては差しが圧倒的。逃げ先行が潰れるわけではなくて、ちゃんと頑張って粘っているのに差し追い込みが決まりまくっている。ダート戦は無論、先行有利をまず頭に入れておくのが定石なわけで、下級条件ほどその傾向は大きい。クラスが上がるにつれ、差しが決まってくる、だから荒れる面白さがあるわけだが土曜府中ダートは、500万条件から差しだ。もうこれには逆らいようがない。あと人気順もみんなわかっているなという感じで、今回に限っては当てにいって、おいしい馬券は諦めた方が良いかもしれない。
 先行馬は前走勝っている馬くらいしか絡めないと判断。

 

◎3カフジテイク
 この馬が抜けているかと問われるとそうでもない、よって単式を買う人はアタマで固定できるとかそういうのは危険な可能性がある。が、連軸とくに3連複の軸ならもうこれで仕様がない。
 終いの脚は堅実で16年5月の栗東S以外は上がり最速か2位。またチャンピオンズSでは4着。前走GI、掲示板内、距離短縮と馬券内の可能性は非常に高い。もし外れるとすればテン乗りの鞍上よろしく直線で詰まってしまう場合。だから2枠3番に入ってしまったのがちょっと危ない、そのくらいかな。1番人気はやりすぎだと思うのだけど。

 

◯13エイシンバッケン
 逆転候補。ダートに変わってから1度の着外しかなく、末脚抜群。こちらは外枠に入れた。岩田に戻ってきたのもプラスと思える。オープン特別で1勝2着2回。ここでやれてもおかしくない。
▲14キングズガード
 やや間隔があいたのを嫌ったがなくはない馬。出たなりで中団か後方かみたいな感じで少し定まらない所がある。が、対抗馬と違って重賞経験はあり、プロキオンS3着、武蔵野Sは4着。
 マイルが長いのだとしたら、フェブラリーSでは切って、ここで買うべき馬、かもしれない。
△2ラストダンサー
 前走は同舞台の霜月S。先行するが田辺が怖い。
△4ニシケンモノノフ
 交流重賞からのステップはあまりよくないが、勝っているし、前々走は中央のカペラSで2着した。で、新聞によるだろうけどこいつは先行馬ではない。好位差しの馬。交流に行くと前を中央勢、後ろを地方勢と別れるから前走の位置取りがそうなったというだけ。少し控え気味に進めれば絡んでおかしくない。
△5ベストウォーリア
 強いでしょう。ただ古豪だしGIで好走してきただけあって、賞金は持っており、ここで凡走しても本番には余裕で出られる、という事情がある。7歳になった休み明けの叩きなんだが、バッサリ切るのもあり。3着まで考えるので私は入れるが。
穴11タールタン
 9歳になったが、7歳12月の2015年ファイナルSから本格化したような馬柱である。昨年の2着馬。カペラSは5着に負けたが上がりは最速。11番人気と軽く見られているのでヒモにおさえておくと面白い。

 

買い目
3連複1頭軸6頭流し
3-2,4,5,11,13,14



シルクロードS

 京都芝内回り1200mコース。内回りは中々使われなく、土曜は新馬戦であったのだが前々。準メインだった木津川特別(古馬1000万)は外回りのマイル戦でこれも見たがやはり前。
 こっちは一転、いったいったで。

◎10ネロ
 脚質向く。迷わずハナへ。

 

◯5ソルヴェイグ
 GI3着。鞍上魅力。
▲11セイウンコウセイ
 京都連勝。番手もOK。
△1ラインスピリット
 舞台得意。注意すべき差し勢。
△7ダンスディレクター
 昨年の覇者。
△12ブランボヌール
 洋芝以外も走る。阪神JF3着、得意は1200。
穴8ヒルノデイバロー
 前走同舞台で上がり最速33.5秒。着内食い込み可。

 

買い目
3連複1頭軸6頭流し
10-1,4,5,7,11,12

 

GOOD LUCK!

いまさら2016年の私を振り返る

 正月期間は松ノ内までの事で色んな説の内でも最大に伸ばして1月15日までは正月っしょという事で去年を振り返る。今書きながら去年はどうだったかと思い返しているが覚えてない箇所がいっぱい。そりゃそうだ、かなりスカスカな1年だったから。

 

 1月2月は小説を書くための準備をずっとしていた。参考文献として使えそうな15冊ほど? を読んでいたはず。

 この1月に、読書記録として使っていたソーシャルライブラリーを休止して読書メーターに移行した。好きなジャンルを広げたいです、的な事を自己紹介欄に書いておきながら結局純文学系列しか読まなかったので、これは大いに反省すべきだ。で、2016年年間で読破した冊数は101冊だった。毎年70冊くらいで終わっていたので、年間100冊読めたのは読書メーターのおかげ。1日に2回は更新するのだが、そうするとフォローしている人達が次々に読み終わってレビューを書いてくる。それを見ていると弛んでいられないぞ、という感覚を覚えて今までより読書に集中できるようになったと思う。本を流し読みではなくしっかり読むのはとても疲れる事だからついついサボってしまいたくなるのだけど、読書メーターが良い刺激になったかな。

 

 それで、3月末日を〆切とする純文学系公募新人賞(文藝賞、すばる文学賞新潮新人賞)のどれかに送ろうという小説のプロットを作った。かなり精密に作った。さあ、すぐやれるぞ、とOfficeのWordを開いて5日ほど試行錯誤して、結局全く書けなかった。

 この事が去年の一番印象強かった事だと思う。こういう日記やエッセイもそうなんだけど、それなりに長い文章を書く時は深層の無意識の扉をノックし続ける、という行為をやっている、誰もが。特に小説で、原稿用紙換算200枚想定でやろうとしていたので無意識を相当使う事になる。

 多分この時にERRORが続発した。書けないならしようがない、プロットだけ残して今年は止めようと書くのはよした。そうしたら情緒不安定になって持病もかなり悪くなったのだ。散々無意識の扉をノックして引きずり出した状態で発露たる創作を不意にやめたものだから不安定になるのは当然だった、と今にして原因がわかった。久々に希死念慮も湧いてとても辛い3月4月だった事を覚えている。

 

 今年はその3月4月の状態から如何に抜け出すかの1年だったように思う。

 晩春から麦秋の頃は何をやっていたか思い出せない。府中へは友人と何回か行ったか。ヴィクトリアマイルNHKマイルCはスルーしたがオークス、ダービーは現地観戦した。牡馬クラシックではマカヒキを軸にし続けたので調子は良い方だったかな。

 それで七夕賞福島競馬場で見に行くために旅行した。私自身は一度家族旅行で東北に行ったし、その時に福島県内では会津若松の白虎隊などを見たから良いのだけど、一緒に旅行に行った友人達が、観光名所などどうでもよいと旅打ちに専念していたので、これはユニークだったかな。福島競馬場と宿屋の往復しかしなかった。(この日の七夕賞はちゃんと的中した。)

 競馬の話が出てきたので今年はどうだったかと書くと、知らず識らずの内に70万円使っていた。もちろん70万円の種銭があったわけではなくて、毎週の返ってきた配当金をそのまま競馬に回すという感じでやるわけだけど、こういう数字が出てくるとギョッとする。回収率の詳細な数字は書かない、80%は行った。成績が良かった競馬場は、阪神、中京、東京、小倉。札幌函館の方は的中率はかなり高かったけど60%くらいしか返ってこなかった。なんでかな、よくわからんな。

 

 8月は地方文学賞向けに50枚の短篇を、書き上げた。結局選考通過しながらも落選したのだが、何とか書けた事は大きかった。たった1万7000字くらいだが、リハビリは好調だと思えたのである。

 

 9月10月は何していたかな。天皇賞(秋)ジャパンカップには行った、JCは11月か。確か歯医者には行っていた。コーヒー好きでタバコもロングピース(タール21mg、ニコチン1.9mg)をバカスカ吸うので歯のトラブルはしようがない。神経を抜く、根管治療か、それを何本かやった。あれが痛くて。まあ、還暦を迎えられるか知らないけどその時には総入れ歯になっているのではないかな。

 

 11月12月は大過なく。特に書く事がないが本を読んでいました。有馬記念には行った。中山競馬場に。中山はもう少しスタンド席等々を改修して広めに取ってほしいな。グランプリやると10万人行くか行かないかくらいの博徒が集まるから押し合い圧し合いで。中央競馬を趣味にしている以上、現地が混雑するのは慣れっこだけど、中山は本当に酷い。

 

 こんなものか。病気の方は一進一退をしているが安定してきたように思う。家族内で色々出来事が起こって、それに反応して調子崩した時期もあったが、それも凪いだ。

 あとはそうだな、暇つぶしにPS2Zガンダムエゥーゴvsティターンズ(2003年発売)をひたすらやり続けていた。対戦モードで機体とステージを自動選択にすると色んな組み合わせでプレイできるので。旧ザクでハイメガ装備のZを倒したりとか。

 で、さすがにやりすぎて飽きたので、ガンダムvsZガンダム(2004年発売)を中古で買って、今はそれを楽しんでいる。連ジのMAとステージが全部入ってきて、ZZもゲスト参加しているのでかなり楽しい。これが12,3年前のソフトだとは信じられない、とても良いゲームだと思う。

 

 さて今年もそろそろ小説を書こうと思っている。今年こそは、きちんと書いて応募できますように。あと競馬が当たりますように、勝てますように。

 

 

 

 

2017 予想 第66回日刊スポーツ賞中山金杯(GIII)+第55回スポーツニッポン賞京都金杯(GIII)

 あけおめことよろ!!!

 ぶっちゃけ東西金杯が何日か忘れていて小一時間前に気付いたので詳しい予想はもう書けんので、だいたい馬番と印のみの形で。

 

中山金杯

 Cコースに変更ながら年越して連続開催みたいなものなのであんまり前がどうのという予想はせず、まずまず馬の力に中山巧拙を考えるくらいで良いと思う。

 

◎3ツクバアズマオー
◯1シャイニープリンス
▲2クラリティスカイ
△7ドレッドノータス
△9カムフィー
△10ストロングタイタン
△12シャドウパーティー

 

買い目
3連複1頭軸6頭流しの15点
3-1,2,7,9,10,12


 京都金杯

 毎年、京都の方がとれない。で、こっちは開幕週である事をよくよく考えておく。毎年まさか来ないだろうという前々が残る。加えて内枠がいいだろうけど、まあとにかく前なら前で、差しはあくまで押さえの感覚。
 今回の出走馬を見ていると、逃げ馬は多いのでハイペースで前崩れの差しだ、と決め打ちするのも良かろう。要は脚質のどっちが好みかで。ここは運が物を言う。真面目に予想しても面白くない。

 

◎15マイネルハニー
△4ブラックムーン
△6エアスピネル
△7テイエムタイホー
△10テイエムイナズマ
△14アストラエンブレム
△18ガリバルディ

 

3連複1頭軸6頭流し15点
15-4,6,7,10,14,18

 

GOOD LUCK!!