読書感想文、または批評

2016 三島由紀夫「殉教」読書中

モノを書き始めるまでの資料的な選択として ・三島由紀夫「殉教」 ・稲垣足穂「A感覚とV感覚」 ・三浦しをん「月魚」 を積んであって、早急に読む必要がある。今、三島。 ちょっとチョイス失敗したかなと思うのは、三島の短篇集、詰め込みすぎでページ数多い…

2016 堀江敏幸「いつか王子駅で」読了 小説内の競馬描写について

いつの間にか競馬回顧サボっているけど今日もサボるよ、まあ、その、中京記念は小牧を軸にして万馬券をとった。なんだかんだで今年の万馬券には小牧がよく絡んでいた気がする。 それはさておき、私はもう、今すぐにでも書けるしもう書いちゃおうかとも思うの…

2016 青山七恵「わたしの彼氏」読了、次は「ロシア・フォルマリズム」(文庫クセジュ)

はい。 本書427Pで反復だと鮎太郎が思うが、この反復は構造、ポスト構造の重苦しい用語ではない。単に惚れられ、酷い事をされ、捨てられて、また誰かに惚れられるだけ。長いが筋は面白いから飽きなかった。内容よりも文章に魅了された。三人称一元視点だが、…

2016 青山七恵「わたしの彼氏」読書中のメモ

風邪は、市販の風邪薬のんで爆睡したらたぶん治った。若干、身体がダルいが。 「わたしの彼氏」なんだが、今150Pぐらいで、全体で400Pあるからもう少し時間がかかると思う。で、これはストーリーそのものは最後まで読まないと何にも言えないが、文章が結構凄…

2016 絲山秋子「ラジ&ピース」読了、次は青山七恵「わたしの彼氏」

例によって(ry ラジ&ピース FM群馬と連携した企画だからこうなったのか。私は生まれも育ちも前橋なので本書は違和感だらけ。上州弁。話す人が私の周囲に皆無。同級生も先輩後輩も、両親も、80歳過ぎの両祖父母も使わず。柳田の蝸牛論での京の役目をテレビ…

2016 吉行淳之介「星と月は天の穴」読了、次は絲山秋子「ラジ&ピース」

例によって(ry、星と月は天の穴 久しぶりに吉行を読んだ。ポストコロニアリズム批評が日本近代文学の差別意識を暴いたように、吉行の作物もフェミニズム批評でやられたら滅多刺しにされるのではと少し心配した。吉行の文章はすっきりしている。無駄口を叩…

2016 青山七恵「お別れの音」読了、次は吉行淳之介「星と月は天の穴」

例によって(以下省略)お別れの音。 大当たりは人によるだろうが外れは一つもない、どれも中々の品質を維持した好短篇集。00年代の純文学系新人賞から出発して生き残った作家にある程度共通してみられるもので、大きなアクションで〈物語〉を動かすよりも〈…

2016 絲山秋子「エスケイプ/アブセント」読了、次は青山七恵「お別れの音」

例によってまず読書メーターで書いたものをそのまま転載。 第一印象は軽すぎ、だった。饒舌体、活動家崩れ、ゲイ、およそ日本文学がやり尽くした、地雷原に特攻した意欲作である。おまけに絲山秋子には頻出の洋楽からのインスピレーション、〈神〉という概念…

2016 ユニヴァーサル野球協会読了、次は古井由吉の「水」

240文字だっけか。その文量でおさえろというと下記のように書くしかないでしょう。 ポストモダン文学方面では語り尽くされている感があり、約半世紀前に上梓されたこの作に何と言葉を贈ったら良いのか。〈虚構〉-〈現実〉の境界が解体されていく、浸食されて…