2016 ユニヴァーサル野球協会読了、次は古井由吉の「水」

 240文字だっけか。その文量でおさえろというと下記のように書くしかないでしょう。

 

ポストモダン文学方面では語り尽くされている感があり、約半世紀前に上梓されたこの作に何と言葉を贈ったら良いのか。〈虚構〉-〈現実〉の境界が解体されていく、浸食されていく、その手のものは今では沢山ある。仏文学作家J・ヴォートランの「グルーム」等。主人公ヘンリーは、まだまともとも言える。狂人もどきのような。しかし彼の脳味噌で展開される野球ゲーム及び酒場の場面等は執拗な徹底的描写で活写しており、それが〈虚構〉とわかっていながら、もはや〈現実〉すら超えているのではと思わせる。我々はそれを楽しめば良いのではないか。

 読書メーターで書いたものをそのまま転載。

 はっきり言って、もう新しい事は言えない、雰囲気でわかる、最後の解説で。

 意外と主人公ヘンリーは狂わなかったな、とは思った。売春婦に説明する場面で嘲笑されて茫然となる場面や、職場が同じのおせっかいなうぜーデブに、何から何まで暴露して一緒に遊ぼうぜと言っても、デブは興味なくて〈現実〉的な放映中の映画の話をしたがる。それで滅茶苦茶な試合になり、あげくビールをこぼされヘンリーは絶望する。

 最終章でヘンリーは、行ってしまったんだろう。野球協会の神様として。そう思ったほうが私には好みなのだ。バッドエンドが大好きで。

 

 ちょっとだけ、こんな事があって騒いでいるとリアルタイムな話題へ。アニメくまみこ、の最終話とその制作陣でとっても面白い事になっている。原作者がタッチしていない、アニメのオリジナル展開で、しかも2話連続で最終話まで、まとめようとしたらやってしまったという感じ。脚本家は何故か一人で尻尾巻いて逃げるし(逃げきれないでしょ、記録として残るんだから、何を言われても無視して耐えるしかない、処方箋は時間の経過だけだ)、恐らくは弱い立場の原作者が苦言を呈すると一気に拡がったが、原作者ブログからその記事が消える。よーく覚えておけよ、数年先の私よ。2016年6月の1クール春アニメ最終話ラッシュではこの話題で持ちきりなのだ。

 ちなみに夏目友人帳傑作選が2クールはやるのだとやっと知った。だって4期までの傑作選やるよと言いながら今日でまだ2期が終わってないし。

 

 次は古井由吉。連作短篇集「水」。70冊以上補充したので、それを読書メーター積読本に全部登録してやれ、と思ったが、明らかに無駄な手間と時間がかかるし、私をお気に入りに追加している人達の新着表示に70件以上がずらりと並んだなら、これはテロリズムだと思ってそれはよした。

 さて、これで積読本はほぼ消化。海外文学特集という感じでこの2ヶ月くらいをやってきた。今度は日本に戻り現代作家達を読み漁るのだ。いきなり古井由吉とかね、もう文体でくらくらしてしまうこと確実ではあるが、まだブックオフオンラインの方が届かない。たぶん今日だろう。先にAmazonの方から一冊ポスト投函された、よりによって古井由吉が。

 寝ていなくて、ユニヴァーサル野球協会の最終章辺りで集中力が切れてきている自覚あったからカフェイン錠200mgを朝5時頃飲んでしまったし、私は今日寝るのだろうか?